様々な心理セラピストの
ホームページを拝見していると、
巻頭、目に飛び込んでくる
文章があります。
“現代は心理の時代です”
とか
“ココロの時代です”
なんていう文字が
踊りますが、
私なりに今の時代に、
“なぜ心理セラピー/
カウンセリングが必要なのか”
“なぜ他人に対して心理的な
関わりが必要なのか”、
を下記にお示しします。
愛着関連障害;
愛着システムの崩壊
※愛着とは、イギリスの
精神科医ボウルビィが
提唱した概念で、特定の対象との
情緒的な結びつきを指し、
乳幼児が母親との
情緒的な相互作用を
通して形成される、
母親と確固たる絆のことです。
私は起業する前、修行時代から
今までに様々なお悩みを
持ったクライアント様に
出会う機会に恵まれました。
訴えられるお悩みについて、
“ある傾向、方向性がある”と
思っていましたが、
言語化できない状況が
ずっと続いていました。
岡田尊司先生の著書
を拝読した際、
“現代の奇病”と名付けられて、
愛着関連障害;愛着システムの
崩壊について紹介されていました。
その内容とは、
1960年以前には
ほとんど存在しなかった病態が、
1960年頃から徐々に増え始め、
1980年代に急増して、
2000年以降は爆発的に
愛着関連障害;
愛着システムの崩壊が
増加していると示されていました。
本文より引用、診断名として、
境界性パーソナリティ障害、
摂食障害(拒食・過食)、
子供の鬱、躁鬱、
ADHD(注意欠陥・多動性障害)
などが
急増しているということでしたが、
これを踏まえて、
私が面会したクライアント様の
悩みを考えてみた時、
医療機関に
通院していないので、
診断名が付いていない、
ご自身が自覚していない
状態なだけで、
上記病態タイプを非常に
薄めた形/タイプ
(診断名が付かないが、
傾向がある)
での状態の方々に、
私はお会いしていたの
かもしれないと思いました。
岡田先生の御本に
記載されていた内容と
私の体験が一致したので、
私のモヤモヤが
スッキリに変わりました
私は、
愛着関連障害;
愛着システムの崩壊
によって、様々な症状を
主訴としたクライアント様に
関わってきたようです。
では、
“何が原因で、
愛着関連障害;
愛着システムの崩壊が
発生してしまったのか!?”
“なぜ、1980年代に急増して、
2000年以降に
爆発的に増加したのか!?”
、という疑問が湧いてきます。
上記著書からの引用で
①高度に発達した情報化社会
②十分なバックアップがない状態
での女性の社会進出
が深く関連していると
記載がありました。
高度に発達した情報化社会
まず高度に発達した
情報化社会についてですが、
1970年代に
パーソナル・コンピューターが
開発されて、
その後、全世界に普及していき、
普及するに伴って、
大量情報伝達が可能になって、
メール、音声配信、動画配信が
行われるようになり、
私達はとても便利で、
快適になりました。
デスクトップ型だけではなく、
ラップトップ型、タブレット型や
スマートホーン型の普及も著しく、
だれもが手軽に
使いこなすことが
出来るようになり、
いつでも、どこでも
情報量、情報の質に
差異がないほどまでになりました。
しかし、
その反面として、
直接面会せずに、
つまり体温感・温度感を
感じることなく、自分自身の
意見を表現することが
可能になることで、
人と人との絆は
薄れてしまうという
結果を導き出しました。
確かに、人間関係を煩わしいと
思われている人にとって、
嫌いな人、苦手な人と
面と向かわなくても、
意見を表現する義務が
満了できる訳ですから、
人間関係を
煩わしいと思っている
人達にとってみれば、
高度に発達した情報化社会は
好都合な
社会なのかもしれません。
ただ、その副作用として、
体温を感じる交流、
他人の感情に
共感する機会などが
極端に少なくなったと言えます。
この現象は、会社、組織、
共同体内だけでなく、
家族の中でも発生しています。
この直接面会せずに、
体温感・温度感を感じることない
環境下に
身を置くことによって、
脳科学的に、
(回避性愛着障害
岡田尊司先生著より引用)、
“内側前頭前野などの
社会脳
(顔を見る、
気持ちを推測するといった
社会的活動に際して
使われる脳の領域)
が働きにくい。
人が行動するのを見るとき、
同じ行動に関わる脳の領域が
活性化される。
これがミラーシステムであり、
この仕組みによって
共感や共鳴も生じる。
ところが、
相手の行動が
見えない状況では、
このミラーシステムも
活性化されないので、
本来の共感も働きにくい。
物や数字を扱う様に、
対人関係も
処理されてしまう。“
ということで、
奇しくも他人に共感する力;
気持ちを推測する力が
養われない状況が
作り出されている訳です。
そして、この状況は
母子間でも発生していて、
幼少期・学童期・
青年前期
(0歳から15歳頃まで)に
一番大切である母親との
スキンシップ、アイコンタクト、
体温感・温度感がある
コミュニケーションが
欠落することによって、
対人関係を
円滑
(ストレス・不安を和らげたり、
落ち着きがあったり、社会性を
高めたり、親密さを感じ、
寛容で優しい気持ちでいる)
にするために
オキシトシンと言われる
ホルモンの分泌が正常に
なされないことで、
精神的に不安で、
自信がなく、極端に偏った
人格を持ってしまう傾向にある、
ということが
示唆されている訳です。
これらの全行程を指して、
愛着関連障害;
愛着システムの崩壊で
あると定義されています。
十分なバックアップがない
状態での女性の社会進出
家族間で
①発達した情報化社会の弊害に、
さらに拍車をかけているのが
②十分なバックアップがない
状態での女性の社会進出です。
日本でも、
多様化される社会の一部として
“もっと女性の社会進出を”
や
“女性管理職比率を25%以上”
を掲げている企業が多いと
思いますが、
現状、
日本では、出産・育児に関して
十分なバックアップ体制
が
全く取れていない状態で
様々な課題が浮き
彫りにされています。
子供がまだ幼いにも関わらず、
母親が激務・勤勉に
仕事をせざるを得ない環境で、
時間を費やしてしまうことで
親子間の体温を
感じる交流、人と人:絆、
愛着の交流が
薄くなってしまっています。
一昔前、当たり前のようにあった、
夫婦共働きでも、
祖父祖母が同居する
大家族で、幼い子供の世話を
行って、たっぷり愛情を
注がれていた状況から、
現代は核家族化が進み、
“働く女性”が増えて、
女性の就業率が
向上したことは事実ですが、
それに伴った母子間の絆を
サポートする社会保障制度;
サポート体制が十分ではなく、
愛着関連障害;
愛着システムの崩壊が
起こりやすい状況です。
(岡田尊司先生の著書
『死に至る病』
の本文から一部引用、)
“オキシトシンと言われる
ホルモンの分泌が正常に、
必要十分に行われることが
重要であり、幼少期に
特定の養育者(母親)との
結びつきを通じて、
オキシトシンが正常に分泌される
回路が生成、確立することが
何よりも大切です。”
と記載されています。
しかし、上記に述べたような、
①高度に発達した情報化社会
②十分なバックアップがない状態
での女性の社会進出
が発生したことにより、
母子間のスキンシップの時間が
十分でなく、オキシトシン回路が
うまく作動せず、愛着が不安定で、
心や身体の数々の異変、
うつ症状、
気分障害、
不安、
摂食障害、
依存症
など、上記で述べた
“現代の奇病”を
生み出した一因になっていること
が指摘されています。
統計データから読み取れること
そして、これらの傾向を
公表されているデータと
照らし合わせてみたい
と思います。
これは内閣府が平成26年に行った、
子供・青年白書
特集 今を生きる若者の意識
~国際比較からみえてくるもの~
から抜粋したものです。
質問は自己肯定感を調べるもので、
“自分に満足していますか?”
という問いに対して、
日本で45.8%しか
“はい”と答えていなく、
先進諸外国は
軒並み70~80%超であります。
この統計データを見て、
ある方は、
“日本は戦争に負けたからだ”
という人がいますが、
日本よりもより戦争に
負けている
ドイツでは80.9%あります。
またある方は、
“日本は受験戦争が
激しいからね”
といいますが、
日本よりも受験で一生が決まると
言っても過言ではない
韓国は71.5%あり、
日本はダントツに自分に
満足していない、
つまり、自分自身に
自信がない人が多いことを
表しています。
時代の潮流によって・・・・
時代が変化することによって、
国際情勢・社会情勢が
変化し、OA化が
促進・奨励され、
それに伴って飛躍的に、
情報化社会の波が
日本人を飲み込んだと
思われます。
たしかに、
それらの恩恵によって、
私達は便利で、
快適になりました。
しかし、その副作用として、
愛着関連障害;
愛着システムの崩壊が
発生してしまい、
自分自身に自信のない人達、
回避傾向が強い人達を
量産してしまった
可能性があります。
これらの影響を
受けてしまった人達が
ココロに関連する様々な
種類のお悩み
持ってしまいます。
本当に、
当然の結果であると思います。
ご自身が作り上げてしまった、
“歪んだ思い込み”
“自信のない自己イメージ”
“低い自己肯定感”
などによって、
非常に生き難しい人生を
送っている多くの方々を
お見掛けします。
(私が以前は
そうでしたから・・・)
例えば、
・仕事を完璧に
こなさなければ、
私の存在価値がない、
必要ない、
と思われてしまう
・私さえ我慢すれば、
丸く収まるから、
我慢しないと・・・・。
・いつも人の役に
立っていないと、
喜ばせていないと、
ダメな気がする
・他人に甘えたり、
面倒/迷惑を
掛けたりしたら、
みっともない、
恥ずかしい
・自己啓発セミナーを
通い続けている
私は優秀なはずなのに、
どこか空虚感があり、
自信がない
など
独りぼっちで、そのプロセスを
乗り越えていくことは、
決して容易い
道のりではありません。
そこで良き理解者である
伴走者が必要になってくる訳です。
それが心理セラピスト/カウンセラー
と呼ばれる人達であると思います。
時代の潮流によって、
産み出された
その時代特有の
心理的症状があり、
それらについて多面的に、
深遠な理解が
出来たおかげで、
自分自身が課題を
乗り越えてきた経験・体験を
持っている
心理セラピスト/カウンセラーが
今の時代には
絶対に必要だと思います。
ですから、私の
心理セラピー/カウンセリング
は、
ただクライアント様の
お悩みを聴いて、共感して、
肯定的な言葉がけをして、
一時的にだけ
“楽になる”
“気持ちよくなる”
“高揚感・解放感を感じる”
ことのみを目的に
心理セラピー/カウンセリングを
提供することは
絶対にありません。
クライアント様が
その悩みを通じて、
“歪んだ思い込みに捕らわれない、
本当のご自身の人生”
“何も足さない、何もひかない、
ないものにも捕らわれない、
あなたが主人公の人生”
を
生きるために必要なことを
提供させて頂きます。
“今の日本に必要な
心理セラピー/カウンセリング
とは”、
時代の潮流が生み出す様々な
社会規範と人間がもっている
身体・感情・思考の特性、
意識的/無意識的な時間、
欲求や向社会性、
集合意識など
特性を多面的に、
深遠に理解して、
クライアント本人が
人生の主人公を生きるために、
癒すことも時に必要であるが、
それだけではない
心理セラピー/カウンセリングが
望まれていると考え、
私はこれをクライアント様に
提供しています。