私が研鑽を積んでいる時に、
なぜかわかりませんが
“依存症”
(薬物依存、
アルコール依存、
ギャンブル依存、
ゲーム依存、
窃盗依存など)
に興味がありました。
サラリーマン時代は、
アフター5に憂さ晴らしに
居酒屋でのこと、
当時の同僚が
ほぼ毎日、お酒を
飲んだ瞬間に
“人が変わってしまう”
様子を体験して、
その同僚は、
今、考えれば
アルコール依存症予備軍で
あったと思われます。
そしてサラリーマンを辞めて、
ご縁を頂いて
依存症専門カウンセラー取得講座
(NADAI:http://www.nadai.us/公認)
の受講機会を
与えて頂きました。
その時、
初めて知ったのは
依存症で
苦しんでいる人達が集う
回復施設で
働いている人達は
全員“元”依存症者、
そこに入所を
仲介する人も
全員“元”依存症者、
それ以外に支援団体で
活動を行っている人達は、
“現”もしくは“元”依存症者が
家族にいて
家庭ばらばらの
危機に陥ったり、
“元”依存症者が家族にいたが
自死してしまった
経験がある方々で、
唯一、カウンセラーのみ
“元”依存症者でなくても、
なれる資格であることでした。
その各依存症を
勉強している期間に、
物議を醸しだしていたのが
IR法案です。
IR法案とは、
カジノを中心に
宿泊施設、
テーマパーク、
商業施設などを
一体的に整備する
統合型リゾート
(IR:Integrated Resort)の
設立を推進する基本法、のことで、
人口10憶人を超える
中国やインドがあるアジアでは、
香港は元より、シンガポール、
韓国、オーストラリアでは
IR開業が続き、
外国人観光客の誘致に
成果を上げたことで、
日本政府としても、
外国人観光客の
誘致に積極的で、
この法案設立を
目指していました。
その一方で、カジノ解禁で
ギャンブル依存症の増加や
反社会的勢力の
介入などの問題が
生じるおそれがあるなどとして、
法案成立までに時間が
掛かったと思われます。
そして、このIR法案と
セットで成立したのが、
ギャンブル対策基本法案であり、
今の日本ではパチンコ・パチスロ、
その他公営賭博があり、
ギャンブル依存症で
苦しんでいる
人口は約320万人
ですので、
法案が成立したことで
国・地方公共団体から
補助金という形で、
もっと依存症者の
回復過程
に
支援があればいいなと
私なりに期待を持っていました。
まだまだ、
ギャンブル依存症に
対する理解が足りない
日本ですが、
2020年には
国内運用が始まる
と言われています。
ですので、少しでも
“ギャンブル依存症の
背景・概要・
症状・対策”などを
よりよく理解したいと思って、
今回、
国際問題ギャンブルカウンセラー
認定委員会(IGCCB)
国内認定プロセスに参加
した訳です。
講師は
メリーランド大学
医学部病院で、
問題ギャンブルに
関わって35年、
プログラムディレクター
ローリン・ルーグル先生で、
6時間/日×6日間で
36時間に講義が
行われました。
内容が多岐に渡り、
ギャンブル・問題賭博の
歴史・有病率・定義
に始まり、
ギャンブルと
遺伝的リスク因子、
ギャンブルと
脳科学的検証や
実際にルーグル先生が
大学病院に対応してきた
症例を数多く提示して頂き、
その症例に
どのようにアプローチを
していくのか、
解説を頂きながらの
講義でした。
ルーグル先生は、
治療アプローチに
マインドフルネスを
多用されており、
決して一遍通りの
技法・方法論に
こだわるのではなく、
目の前の苦しんでいる
クライアントさんに
どのように関わったらよいのか、
正解がない課題に
真摯に取り組まれている
本当に人間味溢れる
印象を受けました。
そして、
“ギャンブル依存症が
病気である”
という医学的証拠である
脳のfMRI画像を
提示して頂きました。
まず、習慣的に
ギャンブルを行っていると、
断続的に、勝ったり、
負けたりしている状態に
勝ちを予想しただけで、
ドーパミン(神経伝達物質)
が分泌されるようになって、
最終的には、
結果に関係なく、
ギャンブルを行うことが
習慣化されて、
その時には、
“判断・思考”を司る
前頭前野の活動が
圧倒的に
弱くなってしまって、
ギャンブルを
止められなくなったり、
(Sabrina M. Tom :
UCLA:Losses loom
larger than gains
in the brain:
Neural loss aversion
predicts behavioral
loss aversion)
大当たりと
“ニアミス”をしている
現象を
観察している人の脳では、
大当たりした時と同程度に
脳は興奮を示していて、
負けが込んでいる状態
であるにも関わらず、
そのギャンブル行為を
止めることが
出来なくなっていること
が提示されていて、
確かに、ギャンブルを
やっている人達の
脳が上記の状態で
あるならば、
途中でやめることができず、
消費者金融・闇金に
まで借金を重ねてまでも
やり続けてしまうことが
理解できました。
Gambling Severity
Predicts Midbrain
Response to
Near-Miss Outcomes
2010 May Henry
W. Chase and Luke Clark
この医学的証拠を
後押しする形で、
この講習に
参加されていた方々の中に、
“元”ギャンブル依存症者の
方がいらっしゃって、
講義終了後、
ご自身の体験談を
直に伺える機会
にも恵まれました。
回復プログラムの中に、
“自分の体験を
他人に話す”という
過程があるそうです。
そして、お話しを伺って、
つくづく思うのは、
“ギャンブル依存症”は
誰の身におきても
おかしくないということです。
依存対象が
たまたまパチンコ・パチスロ
であっただけで、
買い物、スイーツ、
たばこ、お酒などに
依存している方は
よく見かけます。
依存症は向き合うことで、
是正することができます。
少しでも気になる人は
私に相談してくださいね。
そして、
今後の流れとしては、
今回、
座学トレーニングが終了して、
この後ケースカンファレンス
を受けて、
いざ認定試験になる訳です。
順調にいけば8月中旬には
終了するものと思われます。