私は大阪で生まれて、
大学を卒業するまで
大阪で過ごしました。
学生時代、旅行といっても
関西圏内が多く、
関東圏には
ほぼ足を踏み入れたことが
ありませんでした。
ですから、就職が決まって、
東京エリアに配属が決まった
時に慣れるまで、
時間が掛かりました。
入社4年目には、
出張範囲が日本全国になり、
北は北海道から南は沖縄まで
東奔西走忙しい毎日を
送っていました。
そんな日常生活の中で、
出張先の地域では
その地域によって会話の
中に醸し出される
ニュアンスが違うことに
気付きました。
東京以北では、
私の“大阪弁が怖い”
と言われたことが
複数回あり、入社以来、
大阪人にとっての大阪弁は、
ある意味ステータ
スシンボルであり、
大阪人としての誇りである、
と思い込んできたので、
アナウンサーじゃあるまいし、
強制的に直そうとは思って
なかったんです。
しかし、“大阪弁が怖い”という
お客様からの意見でしたので、
真摯に受け取り、
矯正していった
記憶があります。
その後、矯正した甲斐があって、
仕事中に大阪弁の
イントネーションが出ることは
なくなり、仕事を通じて
人間関係が出来上がった
後に、大阪弁で喋ると、
“えっ~、関西出身なん
ですね!?”って、
いわれたことが
あります。
そして、私自身も、
大阪弁を喋っている
時の人格とその地域ごと
に合わせて、
大阪弁をしゃべっていない
時の人格では、
全く違った人格になっている
ことに気付きました。
それと共に、
出張で訪れる都道府県によって、
色濃く、ご当地感、県民性が
あることも理解できる
ようになっていました。
全体的に、よく観察してみると、
私は大学を卒業するまでの間は、
大阪内で行動していましたし、
対面する人も限られていたので、
私が他人に対して作り出していた
人格は、その決まり切った
日常生活を過ごす間に
もっとも適した、
“大阪弁を使って、
意思疎通をして、
粉物(お好み焼き・たこ焼き)
を愛して、
阪神タイガースを応援して、
おもろい奴がかっこいいと思って、
訳も分からず東京に
対抗意識を燃やす”などの
特性をもった人格を
作り出していた訳です。
そして、入社4年目以降で、
日本全国を出張して、
“大阪弁が怖い”と言われた
後には、“各都道府県の
ご当地感を尊重して、
県民性を理解しようと
努力して、いわゆる標準語を
使い、分け隔てなく受容しようと
する”人格もまた作り出した
訳です。
このように、身を置く環境に
影響を受けて、
人格を作り出す、
という無意識的な行為は、
人間常に行っていると
思います。
訪問した土地柄、
面会した他人によって、
その時その時に
最適と思われる人格が
前面に出ていて、
その瞬間に対処をしている
人格がいるのだと思います。
たまに、
“どう対処していいか!?”、
わからない他人がいますが、
これは今までに
作成した人格では
対処できない場合に
当たると思われます。
こう考えてくると、
人間の中には、本当に
億万の人格が存在して、
その都度、状況に応じて、
面会した他人に応じて、
最適な人格を前面に
押し出してきます。
それも完全に全自動的
に行われます。
そうしているうちに、
各人格間で、
よく使う好きな人格
と使ってはダメだと
思い込んでいる嫌いな
人格ができてしまう訳です。
私の場合でいくと、
大学を卒業して、
就職して東京暮らしが
始まった時は、
大阪出身であり、
大阪弁ネイティブの自分、
よしもと新喜劇(お笑い文化)を
愛する自分などを
“本当の自分”はこの
人格であると
思い込んでいました。
しかし、入社4年目以降で、
全国津々浦々に出張に
いくようになって、
“大阪弁が怖い”と言われて
からの私は、仕事を
やっている間は、
良い人間関係が
構築されるまでの
間は、一切“大阪臭”を
出さないようにしていました。
過去に思っていた
大阪出身をアピールすることを
一切禁止して、新たな
“本当の自分”という
人格を作り出して、
これが私であると
思い込んでいたと思います。
ある意味、対立する人格を
作り出していたのだと思います。
今、現在、心の悩み、
特に、人間関係についての
悩みごとを
お持ちの方々にも、
全く同じ心理的構造が
あると思われます。
時間にシビアな人/怠惰な人、
期待に応える人/期待を
回避してしまう人、
感情表現豊かな人/そうで
ない人などです。
人間の中には、対立するような、
矛盾するような人格が存在して、
美と醜、正と邪、善と悪、
楽観と悲観、勤勉と怠惰、
理想と現実などが
併存している
矛盾の塊で
あると思います。
このような人間の特質を
よく理解し、どう矛盾を
調和させるか、が
大切であると
思います。
ただ、とても難しい行程です。
お手伝いが必要な方は、
是非、私にご連絡ください。
あなたの勇気をお待ちしています。