この世は仮面舞踏会

先日、お友達のお誘いで

“オペラ座の怪人”

を観劇しました。

 

それも劇団四季の

“こけら落とし”を

 

 

して間もない会場で、

生オーケストラの演奏付きで、

 

 

とても“豊かな”気分で

観劇できました。

 

 

 

ストーリーは割愛させて

頂きますが、この劇中で

 

 

“仮面舞踏会”の場面が

ありました。

 

 

17世紀から18世紀、

ヨーロッパ全土でヴェネチア式

 

 

仮面舞踏会は人気を

博したそうです。

 

 

 

仮面を被って、

素性を隠せるので、

 

 

全く違った“人格”に

なれることが、

魅力なのかもしれません。

 

 

現代社会に置き換えても、

日々、仮面舞踏会が

 

 

行われているじゃないか

と思う訳です。

 

 

日常を例にとると、

まず家を出て、

ご近所さんに、

 

 

 

丁寧にごあいさつする、

会釈をする、

何もせず無言で立ち去る、

 

 

など、対人関係の対応

については様々ですよね。

 

 

対面した他人によって、

対面した場所によって、

 

 

その時に自分が装着する

仮面の種類が変わると思います。

 

 

例えば、

 

“とても我慢強く、

何でも受容する”仮面、

 

 

“気前がいい、

良いひと”仮面、

 

 

“本当は嫌なのに、

平気なふりをする”仮面、

 

 

 

“本当はやりたいのに

合理的な理由で

諦めてしまう”仮面

 

 

など、よく見かける仮面です。

 

 

しかし、仮面を装着している

人達はほぼ無意識に

 

 

装着しているので、

実感はありません。

 

 

人間は他人に遭遇した際に、

その時もっとも適した

仮面を装着します。

 

 

 

皆さんも体験があると

思いますが、

 

 

一緒にいる人によって、

“あなた”という人間が

 

 

無意識的に、全自動で

変化していませんか?

 

 

私の会社員時代でしたら、

朝、起きた瞬間は

 

 

ただのおっさん、

それから朝シャワーを

 

 

浴びて、だんだん意識が

はっきりしてくる訳です。

 

 

 

 

更に、テレビをつけて、

新聞社会面を中心に

 

 

トピックをチェックして、

話題になりそうなものは

 

 

記憶に留めておいて、

クリーニングが仕上がった

 

 

オーダーメイドYシャツの封を切って、

仕立てのいいテイラーで

 

 

作ってもらった濃紺のスーツを着て、

ネクタイは今日面会する

お客さんをイメージしながら選ぶ。

 

 

 

全てのコーディネートが整って、

再度、鏡で色のバランスを

チェックしてOKならば、

最後、出かけに

 

首筋に柑橘系コロンをひとふり、

8万円のTUMIビジネスバックを持って、

高級革靴を履いて、

“ビジネス戦士”の仮面を

装着していたと思います。

 

 

出社すれば、

 

“周囲の期待に応える”

 

べく、

 

“ひたすら優秀にみられる”

 

仮面を装着して、

 

“だれにも分け隔てなく

コミュニケーションが出来て”、

 

 

“誰に対しても優しい”仮面を

装着していたと思います。

 

 

そして、その仮面を

装着している間は、

 

 

自己顕示欲が満たされる、

自分の空虚感を

 

 

感じなくていいので、

その状態を長く保ちたい

と思いました。

 

 

装着している仮面も

さらなるグレードアップを

 

 

するために、ひたすら

自己研鑽、自己啓発に

のめり込んでいきました。

 

 

 

今から思うと、その仮面を

装着した自分を自分自身だと

 

 

思い込んでいて、

その仮面に自分自身を

乗っ取られていました。

 

 

全て、資本主義の物質的社会で、

生産性と結果を

 

 

追い求めるために

都合のいい仮面を

ずっと装着していたと思います。

 

 

本当の自分という

存在がいたとしたら、

 

 

 

いつの間にか、

仮面を装着した時には

 

 

かけ離れた存在になっていて、

仮面を装着したことさ

 

 

覚えていなくって、

仮面を装着した自分が

 

 

その場に必要な

もっともらしい立振る舞いをしている。

 

 

仮面を装着している事に

気が付いた時には、

 

 

取り外すことがまるで

自分では無くなるような

 

 

感覚がして、怖くて、怖くて、

仕方なかったと記憶しています。

 

 

ただ、この世に生きる

人達をよく観察してみると、

 

 

私の経験を述べさせて

頂いたように、ほとんどの

 

 

人達は仮面に

乗っ取られたまま、

 

 

その状態が自分自身であると

思い込んで生きていると

思います。

 

まさに、仮面舞踏会です。

 

 

 

そして、ある課題・問題に

ぶち当たった時に、仮面を

 

 

装着した自分と本当の自分が

凄く乖離していることを

 

 

痛いほど実感させられる

訳ですが、それでもその仮面を

 

 

取り外すことを嫌がる

人達は多いと思います。

 

 

心理療法は、

その行程を通じて、

 

 

仮面を取り外して、

再度、必要な時は

 

 

無意識的ではなく、

意識的に装着して、

 

 

 

 

事が済めばまた躊躇なく

取り外すことが

出来るようになります。

 

 

 

仮面は決して、悪者ではありません。

時に、仮面を被ったことで、

 

 

あなたを安全に守ってくれた

こともあると思います。

 

 

 

ただ、無意識的に装着されて、

しまいには乗っ取られてしまうと

 

 

日常生活に支障を

きたすようになってしまうので、

 

 

必要な時に意識的に

使えるようになるための

 

 

道具であると思って

頂ければいいと思います。

 

 

 

 

 

あなたのなかなか

取り外しができない仮面、

 

 

本当のあなたの

人生を生きるために、

取り外すお手伝いをさせて

頂きますよ。