先日、6月5日(日)に
世界摂食アディクション2022
という会が開催されました。
摂食障害については、
特に、2000年以降、
10代~30代の女性に
顕著にみられる症状で、
ココロと大いに関係があるので、
お話したいと思います。
上記にお示しした様に、
摂食障害(拒食・過食)
というココロの病気は、
2000年以降爆発的に
症例数が伸びている病態であると、
『死に至る病』
岡田 尊司先生著に
統計データが記載されてあるほど、
近年、顕著に観察される
疾病であると思われます。
まず、摂食障害について、
詳しくご存じでない方々のために、
基本的なことをお話しします。
摂食障害には、
拒食症
(食べようと思っても、
ほとんど食べ物がたべられない状態)
と
過食症
(必要な摂取量を
遥かに超えて、食べてしまう状態)
があり、拒食症は
命の危険があるので、
医療機関に掛かることが
推奨されていて、
過食症は、ココロの状態と
大きく関連していると
いわれているので、
カウンセリング/セラピーが適宜、
行われていることが
多いと思われます。
そもそも
“なぜ拒食症になるの!?”って、
疑問をお持ちかもしれませんね。
よく伺うのは、
A:“食べると太って、醜くなるから、
食べることを禁止している”
という気持ちを訴える方々、
もしくは、
B:アスリートやモデルのお仕事を
されていて、お仕事上、
ベストパフォーマンスを出すために、
体型維持を半強制されている方々、
そして、
意外に見落とされがちなのが、
C:過剰なまでに食べ物を食べて、
その後、食べたものを
全て吐く、と気持ちが
スッキリするとおっしゃる方々
が代表的な症状でいらっしゃいます。
どの症状も、前提として、
太る事にかなりのストレスを
抱えていて、拒食になることで、
バランスを保っていることが
お分かりいただけると思います。
Aは女性によく観察される状態で、
進級、進学、就職、結婚など
のイベントがあれば、
外見を気にされて、
ひたすら食べないダイエットをされて、
少しでも痩せた状態になった時に、
“きれい”とか“細い”などの
美辞麗句があると、
その期待を裏切りたくない、
裏切ると、バカにされそう、
非難されそう、などの
思い込みから食べることに
罪悪感を持つようになって、
食べられなくなっていきます。
その間、痩せ続けるので、
傍目からは、
“痩せているね!”
“綺麗になったね”など
と賞賛されることがあるから、
自分がやっている行為が
正しいと思い込んでしまうので、
危険閾値を超えた痩せ方をした時に、
注意喚起するような声
“痩せすぎは危ないよ”
“少しは食べた方がいいんじゃない”
なんていう言葉は、
全く耳に届かない、
ことがよくあると思います。
本当に怖いのは、
痩せすぎたと気付いて、
体重を元に戻そうと思って、
食べようとしても、
なかなか食べられない、
体重は元に戻らない、ということです。
Bはアスリートで報道されましたが、
元アイススケート日本代表
鈴木明子さん
や
女子マラソン、10,000m
日本代表 原裕美子さんが
ご自身の症状を
カミングアウトされていました。
どちらの選手も競技で
結果を出さなければならない、
というプレッシャーから
過酷な減量を強制されて、
原選手に至っては、
摂食障害、
窃盗症(クレプトマニア)という
依存症まで発症して、
万引きで7回逮捕されるまでに
なってしまいました。
プロスポーツやモデルなど、
ご自身の身体が資本で
お仕事をされている方々では、
痩せている状態が結果に
直結する場合があるので、
心理的サポートの介入が
難しい場合があります。
Cは確実にココロに課題を
抱えている方々であると思います。
この手の症状を訴える方は、
満腹になった時に感じる、
“満腹感”を感じている最中は、
嫌な事、辛い事を忘れることができ、
そして、気分が悪くなるほど、
食べ過ぎた後に、
指を喉奥に突っ込んで吐くと、
嫌な事、辛い事が身体の外側に
出て行ったイメージがされて、
スッキリする感覚を得られる、
というものです。
これらの症状を持っている方は、
前提として、日常生活を
平凡に送る事が苦しかったり、
辛かったりするので、
その気持ちを
そのまま感じ続けていると、
辛すぎるので、
何とかして誤魔化そうとして、
何かしらの依存対象を
見つけ出す訳です。
このケースの場合は、
過食嘔吐な訳です。
この依存対象が、
違法薬物だったり、
ストロング缶酎ハイだったり、
パチンコ・パチスロ;
ギャンブルだったり
しているだけです。
A・B・Cと概要を見てきましたが、
どれも決して他人事でなく、
真面目で、誠実で、
一生懸命に物事に
取り組む方ならば、
誰でも起き得ることである、
とご理解いただけると思います。
特に、Cでご紹介したメカニズムは、
ある問題・課題を持っていて、
その問題・課題に
対峙することがあまりにも辛すぎて、
感情の動揺が激しいので、
何か依存対象に依存する、
その時だけ辛すぎる思いから
解放されるので、
どんどん依存対象に依存していく、
という図式は依存対象が
有害・無害に関係なく、
よく観察されることです。
心当たりがある方は、
是非、ご相談ください。
あなたの勇気をお待ちしています。