自分の感情がわからない

先日、ご相談して下さった

お話の内容が多くの方々に

 

お役に立つと思いまして、

シェアをさせて頂きます。

 

なお、この内容は、クライアント様に

許可を頂いており、

 

個人が特定できないように

再構成をして、

 

記述しております。

 

 

クライアントA子さんが

ずっと悩んでいらっしゃったのは、

 

“自分の気持ちがわからない”

 

“自分の意見を

公表することが怖い”

 

“自分の意見がないので、

周囲の人達の顔色を見て、

主流派に乗っかる演技を

していたので、疲れた”

 

などでした。

 

ご自身では、

記憶されていないですが、

 

自分の気持ちや相手の

気持ちがわからないので、

 

おそらく、近くにいた友人達を

意識せずに傷つけていたと

 

推測されていました。

 

なぜ、

このような現象が起きるのか、

 

A子さんの成育環境を

伺ってみたところ、

 

A子さんの家族は、

お父さん、お母さん、

 

姉、A子さん、妹、という構成で

A子さんは、お父さん、お母さんの

 

仲が悪い時には、

それぞれから愚痴を聞かされて、

 

妹からはマウンティングを取られて、

誹謗中傷が多く、知らない間に、

 

自己肯定感が

低くなっていたそうです。

 

ただ、ご本人は、全く気付かずに、

やり過ごしていたそうです。

 

いわゆる、

家族全員から“感情のごみ箱”

 

されていたことがお分かり

いただけると思います。

 

 

とても身近な家族から事ある毎に、

感情をぶつけられる、

 

感情のごみ箱にされている状態は、

とても辛く、苦しい状態です。

 

ですから、A子さんは、

だんだんと自動的に、

 

感情を感じなくしていき、

ご自身のココロを守ったと

 

思われます。

 

A子さんの場合は、

もっとも身近な家族から

 

負の感情をぶつけられ

続けてきた訳ですから、

 

ご自身のココロを守るための

防衛手段としては、

 

当然ですよね。

 

そして、無意識の内に、

幼い頃から作り上げてきた、

 

“感情を感じない”特性

これがあってくれたお陰で、

 

A子さんは必要以上に

ココロを傷つけられずに

 

済んだ訳です。

 

ところが、大人になって、

社会人になって、

 

多くの他人と

交流するようになった時に、

 

その作り上げた

“感情を感じない”という特性

 

があるがために、上記の

 

“自分の気持ちがわからない”

 

“自分の意見を公表することが怖い”

 

“自分の意見がないので、

周囲の人達の顔色を見て、

主流派に乗っかる

演技をしていたので、疲れた”

 

などのお悩みを持ってしまった訳です。

 

まったくもって、皮肉なものですよね。

 

そして、A子さんが

大人になるにつれて、

 

環境が変化したことで、

感情を感じなくする必要性も

 

少しだけ薄まってきたことで、

ご自身の育ってきた様子を

 

振り返って、分析されたことで、

このお悩みをもっていることに

 

気付かれたそうです。

 

 

ただ、このような傾向のお悩み、

 

“感情を感じることが出来ない”

 

“相手に共感できない”

 

“ある特定の感情;

怒り・悲しみ・怖いなどを

感じることができない”

 

などのお悩みを持っている人は、

この忖度できる人が

 

持てはやされる現代社会では、

とても多いと思います。

 

では、どのようにして、

 

感情を

感じなくさせていた状態

 

から

 

元の適切に

感情を感じる状態

 

に戻っていくのでしょうか?

 

 

どのような方向性で、

心理セラピーを

 

進めていけば良いのか、

という疑問を

 

お持ちになるかも

しれませんね。

 

方向性は、至って簡単で、

“感情を感じなくさせる”意識を

 

もっていた結果として、

“感情を感じなくなった”訳ですから、

 

元に戻すためには、

“感情を感じてみる”

 

“感情を感じても大丈夫”

という方向性に

 

意識を向けていきます。

 

 

例えば、

A子さんの事例で見てみると、

 

お父さんやお母さんの

仲が悪い時に、

 

各々から愚痴を

聞かされてきた訳です。

 

A子さんは、我慢強く、

それぞれの愚痴を

 

聞いてあげることで、

役に立とうとしていた。

 

そして、

妹にマウンティングされた時にも、

 

ただただ、妹の誹謗中傷を

聞き続けてました。

 

このプロセスを続けた結果、

“感情を感じなくなった”訳です。

 

ですので、

イメージで大丈夫ですから、

 

実際に目の前にお父さん、

もしくはお母さんがいることを

 

イメージして、

こう言ってみて下さい。

 

“私は愚痴なんて

聞きたくない”

 

“私は、感情のごみ箱にされて、

腹が立つ/悲しい”

 

“お父さんとお母さんの

問題は、2人で解決して”

 

もしくは、周囲の人がいることを

イメージしてみて、

 

“私の考えは、〇×△です”

宣言して、表現してみて下さい。

 

周囲の人達がどのような様子か、

をイメージしてみてください。

 

その際、身体の反応に

意識を向けてみて下さい。

 

おそらく、

怒り、恐怖、悲しいなどの

 

感情が誘発されると思います。

 

これらの感情をゆっくり、

すこしずつでいいので、

感じてあげてください。

 

感じたら、感じた分だけ、

減っていきます。

 

 

最初は、うまくいかないかも

しれませんが、

 

少しずつやっていると、

感情を感じられる容量が

 

大きくなっていることに

気が付かれるかもしれません。

 

1日間に感じられる感情量にも、

限度があります。

 

あまり、欲ぼけると感情の

バランスが不安定になりますから、

 

ご注意くださいね。

 

心理療法を勉強していると

 

“感情は、筋肉に宿る”

という言葉に出会います。

 

過去に感じて、

何かしらの理由で

 

外向きに

表現出来なかった感情は、

 

必ず、筋肉に溜まっている、

という意味を含んでいます。

 

 

この溜まっている感情の事を

“未完了の感情”

 

呼ばれていて、

心理療法の大きな方向性として、

 

未完了の感情を完了させる、

ということが為されています。

 

ひとりでは不安だ、

という方は、

 

ご連絡頂ければと思います。

 

 

あなたの勇気をお待ちしています。