人の悩みごと、
イライラ、モヤモヤを
よく観察してみると、
意識が未来に向かって、
嫌な気持ちになったり、
不安になったり、
過去の出来事を思い出して、
腹を立てたり、
悲しい気持ちに
なったりしていることが
すべてです。
例えば、
“物価高でお米や野菜が高い、
大丈夫なのかしら！？”
“今の国会で本当に
大丈夫なのかしら！？”
“国民年金だけで
老後は暮らしていけるのかしら！？”
”PTAの役員で選ばれたけど、
超絶気が重い“
“最近、やる気と体力が相関しない、
若い時のように仕事ができない”
“資格をとるための
勉強スケジュールを立てたけど、
うまく進まない”
などのお悩みは
日常生活を送っていれば、
誰でも一度は出会ったことが
あるものだと思います。
お悩みについて、
よく観察してみると、
上記のお悩みは
まだ訪れていない未来に
ついて不安視していることが
特徴です。
このようなお悩みは、
予期不安と呼ばれるもので、
イメージとして
好ましくない未来を
思い浮かべることで、
不安・恐怖の
身体反応が起きてしまい、
呼吸が浅くなって、
猫背になって、
目の前で起きることより、
頭の中で起きている
不安・恐怖イメージで
一杯になってしまう状態です。
この現象は、
人間が持っている能力で、
“あらかじめ心配事を
予測しておいて、
それについて準備をしていれば
大惨事にはならない”
“心配事はいろいろな可能性があるので、
出来るだけ多く心配事を
ピックアップしておく”
ということに起因しているもの、
そもそも人間を困らせるものではなく、
適正に作用してくれれば、
とても有益なものですよね。
2020年、
アメリカ；ペンシルバニア大学の
研究チームから発表された論文で、
被検者29名、それぞれ10日間にわたり、
心に浮かんだ心配ごとを記録してもらい、
それらに根拠があるかどうかを
調べたそうです。
結果、
心配ごとのうち最も多かったのは
「まったく根拠のない心配ごと」
でした。
さらに
「なんらかの根拠がある心配ごと」についても、
30日間にわたって追跡調査を
したところ、その91.4％は
実際には起こりませんでした。
この結果からわかるのは、
「私たちが日々心を悩ます
心配ごとは、かなり的外れで、
ほとんど現実化しない」
ということです。
心配ごとに取りつかれ
不安にさいなまれている最中は、
それがとてもリアルに
感じられるものです。
しかし、
それはわき起こった不安が、
そうさせているだけ。
ですから
「心配ごとの多くは無根拠で、
悪い予測のほとんどはハズれる」
という事実を知っておくと、
うんとラクになります。
ただ、人間考えるのは、
“では、残り8.6％が起きてしまったら？”
と不安・恐怖を感じる訳です。
“心配事の約90％が起きない”と
安心するのではなく、
心配事要因を100％消滅させたいと思うのが、
人間の心理だと思います。
この時に有効な方法が、
未来に向いてしまっている意識を
“現在；今ココ”に向けることです。
私が実践をして、
効果があったと思うのは、
まず呼吸です。
日頃を意識していなければ、
止めどなく、吸って、吐いて、が
繰り返し行われています。
この過程に意識を向けます。
まず、鼻から空気が入って、
のど、気道を通って、両肺が膨らんでいる、
横隔膜が下がって、両肺に空気が
充満しているな、とイメージしてみる、
そして吐くときは、
横隔膜がせり上がって、
両肺が縮まって、押し出されて、
気道を通って、鼻から出ていく、
この様子を自分自身で
実況中継をしてみること、
その過程が
“現在；今ココ”に
向けることになります。
毎日、5分×2ほど時間がつくれれば、
有効です。
もう一つは、
自炊料理を作ることです。
食材を包丁を使って、
切っている時、
食材によって切れる感覚が違うでしょうし、
切れる際の音も違います。
また、味付けする際、
塩コショウ、醤油、みりん、酒などの
調味料を加えて、
味見をする際、
好みの味付けがどうか、
舌先に意識を集中しています。
その過程がまた意識を
“現在；今ココ”に向けています。
これ以外にも、
淹れ立てのコーヒーの香りをいい香り、と
思ってみたり、
日常なにげなく意識を
“現在；今ココ”に向けることが
出来ます。
予期不安によって、
意識が未来に向けられて、
それと共に、悪いイメージを
持たされることによって、
お悩みが絶えない方は、
意識を
“現在；今ココ”
に向けてみてください。
効果は絶大ですから。