
新年度が始まりましたね。
各企業も新入社員を
迎える入社式が、
東京エリア、雨の中、
各社で行われたと
報道されていました。
この新入社員となった方々は、
おそらく高校や大学の
卒業式を終えて、
上京された方々も
多く含まれていると思われます。
子供が巣立った実家では、
今まで、
当たり前のようにいた子供がいない、
いがみ合ったり、
憎まれ口叩いていたけど、
やっぱり子供が巣立っていくことは、
送り出す親にとっては、
“ぽっかりとココロに隙間(虚無感)”
が出来たようで、
とても寂しいものですよね。
この
“ぽっかりとココロに隙間(虚無感)”
が出来る要因となる
出来事は、様々なケースがあります。

例えば、
配偶者と死別、離別、
子供との死別、離別、
死産・流産、
ペットロス、
親友との別れ
などで気持ちの準備もなく、
いきなり大切な人との
物理的、精神的別れによって、
“ぽっかりとココロに隙間(虚無感)”
が出来てしまう出来事が
発生することがあります。
その
“ぽっかりとココロに隙間(虚無感)”
を何かで埋めようとする行為が
依存症への入り口です。
私は
NADAI
(全米薬物・アルコールインタベンションニスト協会)
認定の心理カウンセラーなので、
理解されづらいこの依存症について、
誤解を解く意味を込めて、
少しお話しします。
まず、皆さんは依存症と聞くと、
どんなイメージが浮かびますか?
“怖い、近寄りがたい”とか、
“ゾンビみたいな人”とか、
“何度も繰り返して、情けない”
“懲りないねぇ”とか、
思うでしょうか?

報道でよく取り上げられるのが、
芸能人の違法薬物所持・使用の
依存症ですが、
最近ですと、元大谷翔平選手の
専属通訳であった水原一平さんの
ギャンブル依存症で逮捕されて、
一躍、“ギャンブル依存症”という
言葉が有名になりました。
薬物依存やアルコール依存の方々は、
かなり健康を害していて、
病的に痩せているので、
一般人は“これは病気だ”と
認識できるのですが、
“ギャンブル依存症なんて、
ただの道楽でしょう!”って
考えてしまう方が、
大多数で先の事件で
やっと“ギャンブル依存症”も
脳の病気だと
広く拡散されたと感じています。
日本において主要な依存症は、
薬物・アルコール・ギャンブルです。
これ以外にも、
万引きや痴漢、
人間関係やインターネットゲーム
でも依存症は起きます。
依存症は、
物質依存
(アルコール、たばこ、薬物など)、
プロセス依存
(痴漢、万引き、ギャンブルなど)、
関係依存
(女性依存、男性依存、
ストーカー、DVなど)
があり、身体に有害なものから
無害なもの、法律違反で
有罪なものから無罪なものまで、
幾多の依存対象があります。

それでは、
依存症になってしまう
メカニズムですが、
上記でお示しした
“ぽっかりとココロに隙間(虚無感)”
の状態がとても生き苦しくて、
何かで埋めないといられないとか、
性暴力、性搾取、DVなどから
突然、辛い記憶が蘇ったりする
フラッシュバック;トラウマを
抱えていて、
日常生活を送ること
自体が辛いので、
依存対象に頼ってしまい、
辛いことが起きるたびに、
何度も何度も繰り返してしまうので、
依存状態になってしまうわけです。
ですから、誤解があるのは、
“依存症なんて、めくるめく快感を
求めてやってるんだから、
借金や身体が壊れるのは、
自業自得でしょ”
って、お話になる方が
いらっしゃいます。
依存症は正方向に相関関係がある、
という主張ですが、
実際には、日常生活を送ること、
生きていること自体がつらくて、
苦しくて、依存対象をやっている最中だけ、
その苦渋から開放されるから、
依存症になっていきます。

“やめたいと思っているのに、
やめられない”、状態に
なってしまうのが
依存症の怖ろしさです。
負方向に
相関関係がある訳です。
この依存症に関して、
日本の社会システムでは
依存した人を、
社会的孤立させてしまうような仕打ち
(いじめ・罵詈雑言・無関心など)
や
処罰(逮捕・懲役)で
更生させようとしますが、
そのやり方では再犯するだけです。
例を挙げると、
覚醒剤使用・所持で
懲役刑を受けた人が
再犯する確率は、66.0%で
出所直後に再犯に及んでいることが
示されていますので、
懲役刑が再犯防止に
効果的ではない、と
提示しています。
依存回復に必要なものは、
処罰ではなく、
他人との繋がりを基本とした治療です。
“ぽっかりとココロに隙間(虚無感)”を
埋めるものは、
アディクション(依存)ではなく、
コネクション(他人とのつながり)
です。